TB-LAB BLOG

坪川研究室ブログです!適当に更新します!

ips細胞について~その1

Gominoです

みなさんこんばんはGominoです.論文ついに書き終わりました!! 何とかなるもんだね.で,少し時間ができたので最近興味のあるips細胞について書いていきたいと思います.

ips細胞って何?

ips細胞とは,万能細胞の一種です. 基本的に細胞はその細胞にしかなれません.例えば心臓の細胞は心臓の細胞にしかなれません.急に心臓の細胞が違う細胞になっても困るしね.しかし受精卵は卵割という細胞分裂(非対称分裂)を行います.仮に受精卵が単純な細胞分裂しか行わなかったとしたら60兆個の受精卵にしかなりません.これでは私たち人間になれませんね.この受精卵のなんにでもなれる事を利用したのがES細胞です. ES細胞とは,胚のある段階から、ある一部分を切り取って、培養して得られたものです. ES細胞の採取は受精卵を殺すことになるので倫理面の問題があります.この問題をips細胞はクリアできます. そしてもES細胞のもう1つの問題が拒絶反応です.ES細胞は自分細胞ではありませんから拒絶反応が起こる場合があります.しかしips細胞はもともと自分細胞なので拒絶反応は起こりません. 上記で説明した万能細胞とはさまざまな細胞への分化が可能で、再生医療・創薬への応用が期待されています.

ちなみに,頭文字の小文字の「i」は、当時流行していた米国アップル社のデジタルオーディオプレーヤー、iPodのように世界中に普及してほしいという山中の願いから付けられたらしいです.

再生医療ってなに?

再生医療とは,文字道理ヒトの組織や細胞を修復する治療法です.従来の治療(今の治療)では,私たち人間が持っている自己治癒力に依存しています.例えば肝臓の手術をするとして,肝臓を切除します.肝臓には凄い再生力があるので7割~8割ほど切除したとしても,残った正常な細胞が新しい細胞を作り肝臓を再生してくれるます.しかしこれも肝臓の自己治癒力に頼っています. 再生医療とは上記の例では肝臓そのものを完全に再生してしまう技術です.なのでこれからは悪くなってしまった臓器や細胞は全部切除して新しいものと変えてしまおうと言うことが出来るようになるかもしれないのです.我々人間の自己治癒力の上限を超えた医療こそが再生医療なのです.

ips細胞の何がすごいの?

iPS細胞がすごい点

  • 生物のあらゆる臓器や器官を構成する細胞組織を作ることができる

  • 受精卵を利用せずに得られる万能細胞であるため,ES細胞の持つ倫理的問題を解決できる

  • 患者自身の細胞から作ることができるので,iPS細胞から分化した細胞を患者に移植しても拒絶反応が起きない

ips細胞の問題点

色々とすごいips細胞ですが問題点もあります. iPS細胞の作製にあたって,遺伝子を組み込む際のガン化のリスク iPS細胞そのものが持つガンの発現リスク

iPS細胞の作製にあたって,遺伝子を組み込む際のガン化のリスクはips細胞を作る際にがん遺伝子を使うのでこの問題が起こります.しかし,ガン遺伝子を使用しないでips細胞を作る方法を京都大学のグループが発見したのでこれらの問題もいずれクリアされると思います.

再生医療が安全性が確率されて,普及しごく普通な医療になり救われる命が増えることを祈っています.